自分で行う自律神経免疫療法
自分で行う自律神経免疫療法
日常生活で注意してほしいことを以下にあげます。
いずれも難しいものではないので、忘れずに取り組んでください。
食事
副交感神経を優位にするには、腸の働きを高めることが効果的です。食物繊維の多い野菜を積極的に摂って、腸の働きを高めて自律神経のバランスを整えましょう。肉や乳製品を減らして、できれば主食は玄米にするとよいでしょう。
玄米
玄米は、炭水化物、たんぱく質、ビタミンB群、ミネラルなど、必要な栄養素のほとんどを含んでいます。玄米を主食にすれば、多くの食品を食べる必要はありません。
発酵食品
みそ、しょうゆ、納豆などの発酵食品は、腸内の細菌叢を良好に保ちます。腸内環境がよくなることで、自律神経のバランンスも整ってきます。
食物繊維
食物繊維の多い食べ物をできるだけ摂るようにしてください。消化しにくい食物繊維が多い食べ物を消化するため、腸の働きがよくなります。腸の働きがよい状態は、副交感神経優位の状態です。海藻やキャベツ、ゴボウなどは多くの食物繊維を含んでいます。
酸っぱいもの
酸っぱいものを適度に摂りましょう。酸っぱいものは、唾液や消化液の分泌を促します。消化液の分泌がさかんな状態とは、副交感神経優位の状態です。梅干し、酢、レモンなどを少量摂りましょう。
よくかむ
食べ物をよくかむことも大切です。よくかむことで、唾液の分泌を促すとともに、食べ過ぎも防げます。ただし、よくかむといっても、いつもトロトロになった状態にして飲み込むと、消化管が働かなくてもよくなり腸管免疫が低下します。よくかむといっても、ほどほどにしましょう。
また、やわらかい食べ物ばかりを摂っていると、咀嚼筋が発達しません。固いものを適度に摂りましょう。
運動
過度の運動は交感神経を刺激しますが、適度な運動は副交感神経を優位にします。ウォーキングやラジオ体操など、できるだけ体を動かしてください。
ウォーキング
無理をせず、できれば毎日歩くようにしてください。ただし、天候の悪いときや体調の悪いときなど、無理をせずお休みにしてもかまいません。30分程度の歩きでけっこうです。
ラジオ体操
ラジオ体操は、全身の筋肉を動かすように考案されています。わずか10分で全身の筋肉を動かすことができます。
できれば、早起きして朝に行うようにしてください。
乾布摩擦
乾布摩擦は、自律神経のバランスを整えることがわかっています。子どもには、親が乾布摩擦をやってあげるといいでしょう。
その他の運動
無理をしない程度なら、どのような運動でもけっこうです。水泳、サイクリング、ゴロ寝自転車こぎ、肩を上下させたり腰をひねったりするような運動もお勧めです。
爪もみ
爪の生え際は、神経線維の密集している部分です。また、静脈と動脈がつながる吻合部でもあります。
医師や鍼灸師が行う自律神経免疫療法では、爪の生え際にある井穴(せいけつ)を磁気針や毫鍼(ごうしん)、注射針などで刺激します。爪もみは、この家庭版と考えてください。
爪もみは、親指から小指まで5本の指に行ってください。現在、薬指を除く4本の指で行っていて、調子がいい場合は4本の指でけっこうです。
刺激したい指を、反対の手(刺激したい指が左なら、右手)の親指と人差し指で、刺激したい指の井穴の部分が当たるようにはさみ、刺激してください。
ギューと押し続けてもけっこうですし、ギュッギュッと力を入れたり緩めたりするやりかたでもいいでしょう。1本の指に10秒以上は行いましょう。1日に3回程度を目安に行ってください。
指に力が入りにくいという方は、ボールペンのキャップや爪楊枝の尖っていないほうなどで、井穴を刺激してください。指で刺激する際も、ボールペンのキャップなどで刺激する際も、ある程度の刺激は必要ですが、指が傷ついたり血が出たりしないよう力を加減してください。
足の指も同様に刺激すると、さらに効果が上がります。
温熱療法
温熱療法といっても、お風呂に入る、湯たんぽやカイロを使う、外出の際には温かい服装を心がければいいのです。
交感神経優位の人は、おしなべて体温が低くなっています。血管が収縮して血流が悪くなり(虚血)、体温が低くなっています。起床時の体温が36℃未満の方が多く、なかには34℃台の方もいます。体を温めて、起床時の体温が36.5℃に近づくようにしてください。
副交感神経優位の人は、血管が拡張していて体温が高いのですが、運動不足が続くと筋肉量が減ります。筋肉の発熱が少なくなると、やがて低体温となります。副交感神経優位の方も、筋肉の発熱を減らさないためにも、適度な運動を心がけてください。
お風呂
38〜40℃くらいのお湯にゆったりとつかってください。みずおちから下をお湯につける半身浴でも、肩までしっかりとつかる全身浴でもけっこうです。のぼせるようでは困りますが、10分以上は浴槽につかってください。
40℃を超えるお湯につかっていると、血栓(血液中にできる血の塊)ができやすくなるというデータがあります。あまり熱いお風呂はお勧めできません。
お風呂に入る時間がなければ、ひざから下(もっとお湯の量が少なくてもけっこうですが、少なくともくるぶしの上まで)までをお湯につける「足湯」も、全身をポカポカと温めます。
家庭用のお風呂でも十分ですが、温泉だとさらに体が温まります。特に、二酸化炭素が多く溶け込んだ「炭酸泉」がお勧めです。温泉だと、気分転換にもなります。
もちろん、入浴剤やアロマオイル、柑橘類の皮など、気に入ったものを入れるのもよいでしょう。
湯たんぽ
湯たんぽは、熱量が大きく体を温めるのに適しています。冬場だけでなく、体が冷えている方は春や秋にも使ってください。冷えが強い方は、夏場もお使いください。また、夜間だけでなく、できれば四六時中使ってください。
当然のことですが、体温以下に冷めた湯たんぽは反対に熱を奪うので、体温以下に冷めたものは使わないようにしてください。低温やけどにも十分な注意を払ってください。
ペットボトルで代用することもできますが、タオルにくるむなどして、やけどに注意してください。
カイロ
湯たんぽは仕事中や外出先では使いにくいので、カイロを使うとよいでしょう。環境のことを考えると、できれば使い捨てのものではなく、白金カイロのようにくり返して使えるものがお勧めです。
男性なら、ズボンの腰の両サイドにあるポケットと、後ろにあるポケットの合計4箇所を、数10分ずつ順番に回し入れて使用してください。
蒸気が出る温湿布も市販されているので、それもお勧めです。
防寒
直接熱を加えるわけではありませんが、外出の際にはいままでよりも1枚重ね着するなどして、冷えに注意してください。手袋や帽子、マフラーなども冷えを防ぎます。
下着も長いズボンや長袖にするなどして、素材も厚手のものや熱を逃がしにくいものにしてください。絹もお勧めです。靴下を何枚か重ねて履くのもいいでしょう。腹巻きも冷えを防ぎます。
特に下半身が冷えないように注意してください。
生活の見直し
この項目がいちばん大切です。
先天的なものは別ですが、生活習慣病は、無理を重ねてきた結果として生じているものです。いままでの生き方に無理がなかったかどうか、自分の生活を振り返ってください。
けっして、運が悪かったから病気になったわけではありません。病気は、生き方を振り返って、改めるチャンスでもあるのです。
ストレス
血流障害が起きる大きな原因は、精神的なストレスです。人間関係の悩み、仕事の悩み、育児や介護の悩みなどが続くことで、交感神経緊張状態が持続し、血管が収縮して血流が悪くなって病気が生じてくるのです。
ストレスの解消法
ストレスの原因となっている人間関係の悩みや仕事の悩み、育児・介護の悩みは、根本的に解決するのは非常に難しいと思います。ただし、何がストレスになっているのかを知ることで、少しでも軽減することはできるはずです。軽減できない場合でも、上手に対処すればストレスの発散もできるでしょう。
なんでもうまくやろうと思うと、体も心も疲れるものです。たまには手抜きをしてください。「明日できる仕事は、今日はやらない」と決めて残業をしなかったり、月に1日は介護を専門家に頼んで映画を観に行くとか、たまには家事をさぼる日を設けたりしてください。
それも難しいようでしたら、たまには休みの日をつくって、その日は気分転換に好きなことをしてください。日帰りの旅行に行く、買い物をする、趣味のサークルに出かけるなど、気分転換になるものでしたら、なんでもけっこうです。
いつもいい母親(父親)、いい妻(夫)、いい子ども、いい上司(いい部下)では気が休まりません。たまには手抜きをしてください。
笑い
笑いが副交感神経を優位にすることは、医師によって証明されています。寄席の前と後で血糖値を測定すると、寄席の後では血糖値が下がったというデータもあります。笑いによってリウマチの痛みが軽減するという、医師の報告もあります。
寄席に限らず、テレビのお笑い番組でもいいでしょう。思い切り笑ってください。
泣く
笑いと同様、泣くことも副交感神経を優位にします。悲しい映画を観て、思い切り泣くのもいいでしょう。
考え方の転換
まじめな方ほど、ストレスによって交感神経優位の状態になりやすいといえます。先ほどのストレス解消法でも触れましたが、たまには手を抜きましょう。なんでも完璧にとか、私がやらなければ、という気持ちを持ち続けるのはストレスになります。
疲れを感じたときには、私がやらなくてもなんとかなるさ、明日やればいいさ、という気持ちで周囲に仕事を任せてください。
睡眠
睡眠中は、副交感神経優位の状態です。交感神経緊張状態が持続していると、なかなか眠れません。交感神経優位の方は、睡眠時間が短い傾向があります。理想的には8時間程度は睡眠をとりたいものです。できれば夜は9時くらいに寝て、朝は5時くらいに起きることをお勧めします。
しかし、睡眠を十分にとるために薬を服用するのは勧められません。睡眠薬の常用は、かえって自律神経のバランスを交感神経優位にします。暖かい掛布団に換えたり、厚い敷布団にしたり、また湯たんぽを使ったりして、体を温めてください。布団に入って、眠くなるような難しい本を読むのもお勧めです。
薬をやめる
急性期に薬を使うのはしかたがありませんが、長期に薬を使い続けるのは交感神経緊張状態を招くことになります。頓服(症状がひどいときだけ服用する)はそう問題ありませんが、飲み続けるのはよくありません。
薬はあくまでも対症療法です。根治のためには、自律神経のバランスを整えて、自己治癒力を高めるしかありません。
薬の多くは、飲み続けると自律神経のバランスを交感神経側に傾けます。交感神経緊張で血圧が高い人が、さらに交感神経を緊張させる薬を飲み続けると、さらに血圧が高くなってきます。糖尿病、高脂血症などの薬も同様に、飲み続けていると交感神経の緊張を招きます。
さらによくないのが、消炎鎮痛剤です。湿布薬には、インドメタシンやケトプロフェンなどの鎮痛剤が使われています。これらは、交感神経の緊張を招きます。
急性期に湿布を行うのはしかたありませんが、慢性の痛みに湿布を貼り続けていると、高血圧や糖尿病、さらにはガンをも招きかねません。慢性期には、体を温めて血流をよくしましょう。血流がよくなることで、痛みの閾値(いきち)が上がり、血流が悪い状態よりも痛みを感じにくくなります。
頭痛薬や生理痛の薬、カゼ薬も同様です。消炎鎮痛剤を服用するため、長期に渡って飲み続けると、貼り薬よりも早く交感神経緊張状態が出てきます。「痛くなったらすぐ薬」「予防のために薬を服用」というのは、考えものです。
最近、マスコミでも話題になってきていますが、抗うつ剤や睡眠導入剤なども要注意です。精神科や心療内科に通院することに抵抗がなくなったためか、抗うつ剤や睡眠導入剤を服用する人が急増しています。これらの薬は最初はよく効くのですが、薬の効果が切れると、不安やパニックに襲われたりします。そうすると、さらに強い薬を処方するという悪循環に陥ってしまいます。
ステロイドなどのホルモン剤は、さらにやっかいです。使い始めは非常によく効きます。しかし、体外に排出できない状態になると、酸化コレステロールとして蓄積していきます。いったん蓄積した酸化コレステロールを排出するには、非常に苦しいリバウンドを経験しながら、血流をよくして完全に排出するしかありません。
また、ホルモンやサイトカインなどは、本来、体内に存在するものです。不足している、または働きが悪いからといって、ホルモン剤やサイトカイン製剤として体内に取り込むと、体はホルモンやサイトカインの産生を行わなくなります。不足している、あるいは働きが悪いからといって、安易に投与するのはかえってよくありません。ホルモンやサイトカインの産生や働きを、自然に高めるのがよい治療法・健康法です。
ただし、長年薬を使い続けてきた方が、急に薬をやめると、症状が悪化することがあります。医師と相談しながら、徐々に減らしていくやり方もあります。しかし、この徐々に減らしていく方法でも、最終的な目標は「薬をゼロにする」ことです。
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