湯島清水坂クリニックでは「福田−安保理論」をもとに、自律神経のバランスを整えて免疫力を高める自律神経免疫療法を行っています

つむじ通信4

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病気の人は麦飯を食え

自律神経からの提言

 1950年12月7日、参議院の予算委員会において、池田勇人大蔵大臣は「貧乏人は麦飯を食え」と発言したと伝えられたため、失言としてマスコミから強い批判を受けたといわれている。

 しかし内容を見ると、「所得に応じて、所得の少ない人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則に副ったほうへ持って行きたいというのが私の念願であります」と発言したとなっている。

 1960年の池田内閣発足のときには、「寛容と忍耐」を掲げ、11月の総選挙に先だってテレビCMで「私は嘘を申しません」と発言。これらは「所得倍増」とともに、一躍流行語となった。

美食への警鐘

 私は、池田首相はほんとうに当然のことを言っていると思っている。当時の日本は、国民が一心不乱に努力し、貧困から裕福へと変遷する始まりの時期だったため、誤解されたのではないかと思われる。

 いま、日本は裕福になり、美食、甘いもの、やわらかな食べ物を好み、味のない、固い食べ物を嫌った結果、生活習慣病や難病が多発・蔓延していると考えられる。

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 いま日本中で起きている、理解し難い殺人事件、高級官僚の堕落ぶり、食品業界の偽装が発覚して経営陣が謝罪する姿などは、裕福になったがゆえに我慢することを忘れた生き方、固い食べ物を嫌ってやわらかな食べ物や甘い食べ物を好んで食べる時代になったことに起因する。
 こうして副交感神経優位になり過ぎ、自律神経のバランスがくずれた状態になっているのである。

 テレビ番組では、食べ物に対して感謝の念などさらさらなく、タレント達は「ほんとうにやわらかい」「うまい!」「口の中でとろけてしまう」など、知ったかぶりで発言する時代になってしまった。
 あまつさえ、「大食い」や「早食い」を競い合わせて称えるなど、悲しく嘆かわしい番組さえある。

 裕福になったがゆえに、食べ物を大切にする、人間を大切にする、仲間を大切にする、親・先祖に対し敬意を払い、尊敬するという基本中の基本を失ってしまった。
 それは、国が滅亡する道を突き進んでいると悟るべきである。

苦しいときこそ治すチャンス

 自分を大切にする、人間を大切にすることは、病気を治すときの一番の近道だと考えられる。
 人間は苦しいとき、悲しいとき、絶望に打ちひしがれたときこそ、「自分は立ち直るのだ」「決して安易な死の道は選ばない」「明日があるのだ」と我慢し耐え抜く。それには、家族・仲間の支えが必要となる。

 これを登山にたとえれば、苦しく長い行程をあきらめずに登った者だけが多くのことを学ぶことができ、最後にはあの美しく神々しい山頂からの朝陽や夕陽を拝むことができるのである。山頂は美しく、気圧が低く副交感神経が優位なところである。

 人間は、交感神経と副交感神経のバランスがとれてこそ、充実した生き方が得られると考えられる。そのためには、自分自身に確かな生き方が必要で、それにはエネルギーが必要となる。その基本は食事である。
 日本には昔からの立派な教えがあるのに、西洋かぶれして大切なことを忘れ去っている。それは、仏陀の教えが流れる曹洞宗(そうとうしゅう)の開祖・道元禅師の精進料理の教えである。

「食事は身を養うだけでなく心も養う」と『典座教訓』(てんぞきょうくん)『赴粥飯法』(ふしゅくはんぽう)という書の中で、料理の心得から食作法を説く。そのエッセンスが、「五観の偈」(ごかんのげ)である。

一には功の多少を計(はか)り、彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る。
 二には己が徳行(とくぎょう)の、全欠(ぜんけつ)を忖(はか)って供(く)に応ず。
 三には心を防ぎ過(とが)を離るることは、貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす。
 四には正に良薬を事とするは、形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為なり。
 五には成道(じょうどう)の為の故に、今此(いまこ)の食(じき)を受く。

 わかりやすく訳すと、以下のようになる。
一には 多くのおかげを思い感謝していただきます。(感謝)
 二には 自分の行いを深く反省して静かにいただきます。(反省)
 三には 不平をいわず欲張らず楽しく味わっていただきます。(修養)
 四には 元気な体と正しい心を保つためよく噛んでいただきます。(目的)
 五には 目的を達成するために心に誓っていただきます。(理想)

 このような食事作法、生き方、気力があって難病も克服できると考えられる。

 うつ病、アトピー性皮膚炎、ガン症例においても、「自分で治せるのだ」「治るのだ」と信じ、どうすれば治せるのかを真剣に考え、思慮し、工夫し、知恵を絞れば必ず神様はその人にご褒美をくださると思っている。難病は治らないと思うことではなく、「病気は治るのだ」と考え方を変えなければならない。
「五観の偈」で言われているように、日常生活において、日々先祖に礼を尽くし、日々生きられたことに感謝することによって、病は治ってくる。

 病める人に私が常々言っているのは、「病気をつくるのも、病気を治すのもその人本人である。日々の運動を行い、汗を流し、バランスのとれた食事をする。そして病気は気力によって治せると信ずること」である。

 本気で病気を治したければ、おしいもの、やわらかいものだけを食べていてはいけない。病人こそ、麦や玄米を食べるべきである。
 病気は薬や手術によって治るのではなく、自分の力で治せるのだと、知恵と工夫を練ることにより、必ず明るい明日があると信じているし、私は実際に行動している。

 お釈迦様は、心と食事、そして汗を流すことを教えている。それこそが自律神経のバランスをとることであると私は考えている。

2006年5月1日
福田 稔

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