湯島清水坂クリニックでは「福田−安保理論」をもとに、自律神経のバランスを整えて免疫力を高める自律神経免疫療法を行っています

つむじ通信3

つむじ通信3

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乳ガンは治った――自分を信ずる心

自律神経からの提言

 2006年2月4日、52歳の女性が3年ぶりに私を訪ねてきた。彼女は46歳のとき入浴中に右乳房のしこりに気づき、総合病院で細胞診を受けた。
 右乳房中央に腫瘍(4・5cm×7・5cm大)が認められ、乳ガンと診断された。腋窩リンパ節に転移する恐れがあるということで、乳房と腋の下のリンパ節を切除する手術を行った後に、化学療法、放射線照射を行うように提案された。その年の1月16日には手術の予定であった。

 しかし、手術の3日前にインフルエンザに罹患し、病院から1週間の強制退院を申し渡された。
 それまで、ガンを告知されてパニックを起こし、泣いて暮らす日々を送っていたそうだ。ところが、1週間自宅で静養している間に冷静になって、あせって手術を受けるのではなく、落ち着いて様子を見ようと考え、自律神経免疫療法を受けるために来院されたのである。

 当時の説明書では、手術(乳房切断術)、化学療法、放射線照射後に2〜3週間たってから追加の放射線照射、合併症として出血―再手術・輸血・上肢障害・リンパ液貯留、再発―10年単位(骨・皮膚等々)とあった。

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 血液検査の結果は、白血球はやや少な目、顆粒球は多く、リンパ球は少ない(1363/立方ミリメートル)交感神経優位の状態であった。彼女本人と家族の了承を得て、2000年2月から頭部、井穴、全身の刺絡療法を開始した。
 腫瘍はやわらかくなったり大きくなったりしていたが、12月ごろには2cm×2・5cm大になってきた。そして、形も崩れかけ始め、そのうちにバラバラになるだろうと考えていた。

 2001年から、刺絡療法に加え、乳房周囲に鍼灸針による電気刺激も試みた。腫瘍はやわらかくなってきたが、その後大きさはあまり変化を見せなかった。しかし、以前はところどころにあった痛みは消失してきた。そして、リンパ球数も1700〜1800/立方ミリメートルに上昇していた。腫瘍マーカーは、初診時から正常値を維持していた。

 2001年6月、私は心不全で倒れ、脳梗塞で入院。7月には狭心症で手術を受けたが、12月には東京で毎週1回治療も行えるまでに回復していた。

 ところが、2002年9月ごろから体調を崩し始め、不眠・便秘・腰痛が強くなり、3週間ほど休暇を取った。しかし、体調はあまりよくならない。知り合いの医師に「うつ病」と診断された。そこで2003年4月を最後に、彼女の治療を中止せざるをえなかった。
 彼女には、今後手術はできるだけ避けること、運動して汗を流し、乾布摩擦や爪もみなどを行って免疫を維持するように伝えた。
 
 私は大学の精神科より処方された薬を服用したが、症状はますます悪化するばかりで体は冷え、不眠状態は悪化、おまけに幻視・幻聴まで出現するようになった。
 大学からの薬は中止して、東京から来てくれた鍼灸師による気功と鍼灸治療によって生きる力を与えられた。長崎の医師は、彼の友人とともに何度となく新潟に来てお祈りをしてくれた。これらのことにより、生きようとする力がさらに芽生えてきた。

 さらに、新潟大学医学部に所属する女性鍼灸師の治療と助言により、2004年ごろからは1日に3〜4人の患者を治療できるまでになった。彼女による治療は現在も続いているが、いまでは月に1〜2度に減っている。加えて、自分自身で週1回、自分の頭に刺絡治療を行っている。

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 2005年ごろからは、お断りしていた医師や鍼灸師の見学を受け入れることができるようになった。6月には講演も可能となり、生きてきたことに感謝の念も持てるようになった。これは家族による心の支え、食事療法、励まし、ほんとうの友人の心温まるサポートとのおかげだと改めて感謝するしだいである。

 2006年2月4日に、2003年1月に治療を中止した彼女は、52歳となって夫とともに3年ぶりに来院した。この日は土曜日で私は休暇であったが、彼らの来院を喜んで迎え入れた。診察では腫瘤はなく、小さなやわらかな乳腺腫が認められた。乳輪の近くに小さな「くぼみ」の痕跡があるが、2〜3カ月後には正常に戻ると言い添えた。

 3年ぶりの再会で、私はあらためて「病気は本人が治すものなのだ」と患者さんから教えていただいた。治療はほんの一部にすぎず、ご本人の力でガンとの穏やかな共存を可能にしたのである。
 治療後に撮った彼女の写真は、常に笑顔が絶えず、モナリザの「笑み」を超えた弥勒菩薩の「笑み」に近いと私は心より感じた。

2006年3月15日
福田 稔

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